ご相談内容をお聞きする
50代の女性の方で他院で輪郭手術(頬骨の骨切り)を受けました。輪郭は小さくなりましたが、その後、頬からフェイスラインにかけての皮膚が下がってきて、今はたるみが一番の悩みです。あわせて目元が重たく感じるのも気になっています。同時に手術ができるならダウンタイムを一度にまとめたいので、一緒に治したいです」というご相談で来院されました。
ドクターがお顔全体を拝見する
輪郭手術の骨切りによって骨格のボリュームは小さくなっていますが、それを覆う皮膚や軟部組織の量は変わりません。支えを失って余った組織が加齢とともに下がり、頬からフェイスラインにかけてのたるみ、ほうれい線・マリオネットラインとして現れていました。今回のたるみの主な原因はこの骨切り後の変化と考えられ、SMAS層から組織を引き上げて再配置するフェイスリフトが最も効果的と判断しました。
また、眉の下垂によって上まぶたに皮膚がかぶさり、目元が重たく見える状態でした。こちらは、生え際を切らずに頭髪内の小さな切開で行える内視鏡前額リフトを同時に行うことで、ダウンタイムを一度にまとめながら目元を軽くできることをご提案しました。下顔面のたるみ改善をメインに、目元も整えることで、お顔全体のバランスのとれた仕上がりが期待できます。

術前の状態
手術計画を立てる
患者様のご希望と診察結果をもとに、以下の計画を立てました。
- フェイスリフト(MACSリフト):もみあげ付近から耳前部を通る切開線で、骨切りによって支えを失い下がった頬・フェイスラインの組織を、皮膚だけでなくSMAS層からしっかりと引き上げ、固定します。引き上げ方向は上方向をメインとし、細くなった輪郭に沿ってフェイスラインが自然に整うようデザインします。
- 内視鏡前額リフト 目元の重たさを改善する目的で、頭髪内に数か所・各2cm程度の小切開を置き、内視鏡で確認しながら額の組織を剥離します。眉を適度な高さへ引き上げて固定し、上まぶたにかぶさった皮膚を軽くします。傷跡は髪に隠れるため目立ちにくいのが特長です。
上下を同時に手術するため、フェイスライン側の引き上げと眉・目元の引き上げが干渉しないよう、こめかみ周囲の剥離範囲と固定位置を事前に計画しました。
インフォームドコンセント
2つの手術を同時に行うため、手術時間が長くなること、術後の腫れや内出血がお顔全体に出ることをご説明しました。前額部の腫れは重力で下がり、術後数日は目の周りに腫れや内出血が集中しやすいこともお伝えしています。
まれではありますが、血腫(皮下に血液がたまること)が生じた場合は処置が必要になること、一時的な顔面神経麻痺が出る可能性があることもご説明しました。内視鏡前額リフトについては、頭頂部の感覚の鈍さ(しびれ)が数か月続くことがあること、切開部周囲に一時的な脱毛が起こりうること、生え際がわずかに後退することもお伝えしました。すべてのリスクと期待できる効果に十分ご納得いただいた上で、手術を決定しました。
手術記録
麻酔方法:全身麻酔(麻酔科専門医による)
手術時間:6時間48分 出血50mlほど
まずは内視鏡前額リフトからアプローチ。頭髪内の小切開から内視鏡を挿入し、骨膜下で額から眉上まで剥離。皺眉筋・鼻根筋を処理し、眉の位置と左右差を確認しながら引き上げてピン固定とした。続いてフェイスリフトへ移行。耳前部から切開し、SMAS層を適切に処理(引き上げ・固定)しました。余分な皮膚を切除し、傷跡が極力目立たないよう、皮膚に過度なテンション(張力)がかからないよう調整しつつ丁寧に閉創し、手術を完了。
当日術後経過:手術終了2時間後から飲水を開始し、問題なく摂取。顔の腫れは中程度で、痛みは軽度。顔面神経麻痺は認めませんでした。手術後3時間でバイタルに問題なく、ふらつきもないため帰宅可としました。
術後経過
術後翌日:ドレーン抜去および経過観察のため来院いただきました。腫れはありますが血のたまりなどはなく、ドレーンは抜去。経過は順調です。

術後1週間(抜糸後):大きな腫れは引き始め、抜糸を行いました。まだむくみ感はありますが、痛みは軽度です。頭髪内の傷は髪で隠れるため、この時点からメイクで内出血をカバーしてお出かけいただいています。

術後2週間:大きな腫れは引き、自然な感じになりつつあります。お仕事も普段どおりこなせているとのことでした。

術後1ヶ月:まだ軽い腫れが残りますが、頬からフェイスラインにかけてのたるみがすっきりし、眉の位置が上がって目元の重たさも軽くなったことがはっきりとわかるようになりました。

術後3ヶ月:腫れはほぼなくなり、スッキリとした感じが出ています。

術後6ヶ月:腫れはなくなり、組織も柔らかくなじみました。目元も軽くなって、表情も自然です。
まとめ
輪郭手術(骨切り)で骨格が小さくなると、余った皮膚や軟部組織が年齢とともに下がり、たるみとして目立ってくることがあります。こうしたたるみには、SMAS層から組織を引き上げるフェイスリフトが有効です。今回は目元の重たさも気になっていたため、内視鏡前額リフトを同時に行い、一度のダウンタイムでお顔全体のバランスを整えました。
輪郭手術後のたるみにお悩みの方、フェイスラインとあわせて目元の重さも気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
施術内容
フェイスリフト(MACSリフト)・内視鏡前額リフト
料金(施術当時)
フェイスリフト:通常価格 【990,000円】→全顔モニター価格 【396,000円】
内視鏡前額リフト:通常価格 【880,000円】→全顔モニター価格 【352,000円】
麻酔代・検査代等:【165,000円・16,500円】
総額(モニター価格適応):【929,500円】
リスク・副作用 腫れ、内出血、痛み、感染、血腫、左右差、傷跡の赤みや盛り上がり、一時的な顔面神経麻痺、頭皮・顔面の感覚鈍麻(しびれ)、切開部周囲の一時的な脱毛、生え際の後退、眉の位置の後戻りなど。※経過には個人差があります。